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偽計業務妨害で逮捕された予備校生

  • 2011/03/06(日) 00:03:14

 すっかりトップニュースになってゐるが、すでに犯人の予備校生は逮捕されてゐるので、彼の処分については、あとは司法的な決着が出るまで放っておいたらいい。

 偽計業務妨害といふ訴へ(試験問題を試験終了前に流出させたといふことか)が適してゐるのかといふ批判や、過熱氣味の報道に対する批判も聞かれるやうになったが、それらに交へて、耳を疑ふやうな馬鹿な主張をする者もゐる。

 ある中年タレントが、自身が進行を勤めるラジオ番組で言ひ放った。

 「要するにこれって、カンニングしただけだろ。そんなものは学内で決着を着けることで、警察に捜査させるのはおかしい。」

 「受験者と学校は同等ではない。受験者は、わざわざその学校に入れさせてくれときてゐる立場で、学校はそれを選別する方の立場なんだから、学校側が選別に対して全部責任を取るべきだよな。自分で不正を見抜けずに警察に捜査させて、それでマスコミ煽って追い詰めていくってどうなの、これ。」

という内容だった。次いで、視聴者から「別に人を殺したわけでもあるまいに」といった内容のメッセージがあり、これに「我々と同じ方向の意見だね」と同意する。

 したり顔で浅薄な文句をつける輩で、以前から氣に入らなかったが、この男は、自分の子供が同じ大学を受験してゐたとしても、果たしてこのやうに言ふのだらうか。

 なぜ世の中で、この事件がこんなにも話題になってゐるのかをよく考へるべきだ。恐らく多くの人にとって許せなかったのは、他人が苦労して取り組んでいる物事にも関らず、用意周到な「卑怯な不正行為」で自分の利益を得ようとしたことではあるまいか。

 この予備校生が如何なる理由でこんな不正行為を働いたのか、その背景には何があったのかなど、今後そのやうなことが次々に報道を賑はすだらうが、そんなことはどうでもよいことだ。

 肝心なのは、卑怯な手段で家族を裏切り、友人を裏切り、入学を志した大学を裏切り、他の受験者を裏切ってでも、自分の利益を得ようとしたことを、どう考えたらいいのかといふことではないか。そして、そのことに対する猛省を、如何なる方法で促すべきかを考へ、道を正す立場にあるのが、大人といふものではないだらうか。

 しかし、この呑気なタレントは、こともなげに「要するにカンニングしただけだろ」と言ひ、大学側の試験監督の問題を声高に主張する。

 丁度、子供が万引きして捕まったときに、「万引きしただけだろ」「子供が万引きしやすいやうなところに物を置いておく店も悪い」、「店側で対処すべきことなのだから、警察沙汰にすることはない」、そして「客はわざわざ物を買いに来る方の立場なんだから、店側と同等ではない」と主張してゐるやうなものである。

 恐らく彼は「大学」と「受験者」では、「大学」の責任の方が重いと思ってゐる。それは、先の「受験生と大学は同等ではない」といふ言葉からも伺へる。しかし、それは、彼の考へに考へ抜いた結論などではなく、「大学」と「受験者」とを、ただなんとなく「権力者側」と「被権力者側」といふ対立した構図に置き換へて、どうも「文句の言ひ易い方に」文句を言ってゐるやうな軽薄さを感ずる。

 同番組で彼は「カンニングはもちろん悪いけどね」と付け足すやうに言ってゐたが、恐らく彼は、子供がこのやうな卑怯な手段を平然と、そして公然と行ったといふことは、あくまで「一被権力者側の不正」に過ぎないもので、むしろ、大学の監視システムが不十分であったとする「権力者側の不正」を論ふべきだと思ひ込んでゐる。「要するにカンニングしただけだろ」といふ彼の軽薄な言ひ方から、それが透けて見えるのである。

 言ふまでもなく、「自分の利益のために不正を働いた」といふことと、「不正を起こさせない監視システムが不十分であった」こととは、全く別の問題である。監視システムが如何に不十分であらうとも、卑怯な不正行為を働いてよいわけがない。子供でもわかる道理だ。

 なぜ、年端も行かぬ子供が、すぐにアシが付くような卑怯な不正行為の準備をし、平然とそれをやってのけるやうになってしまったのか。それは「監視システムが不十分だから」といふ理由では、決して解決などしない。

 國民精神の根底がどんどん崩れてゐるにも関らず、そのことには全く関心を持たず、未だに物事を安穏と権力闘争に置き換えて、その権力者側を批判することで事足れりとする、そんなことに現を抜かしてゐる者が、マスコミ、司法、政治家、知識人のそこら中にはびこってゐるのだ。
 

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