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敷金返還訴訟 あまり語られない話 その1

  • 2010/08/13(金) 19:07:08

 よくある話ですが、「敷金返還訴訟は圧倒的に借主に有利、納得の行かない敷金清算は断固拒否し、小額訴訟を起こさう」なんて、腐るほど検索で引っかかるので、珍しくもなくなりましたが、実は鵜のみにすると、とんでもないことになるので、あまり語られてゐない情報でも書かうかと思ひます。

【借主はほぼ100%勝てるの?】

 よくそのやうに書いてありますが、実際の経験から言ひますと、大きな誤解です。

 例へばよくあるのが、「借主有利」で一旦は借主勝訴の判決が出てたとしても、その審理のせゐで借主の責を問はれるやうなことが浮き彫りになってしまふケースです。


【実際の例】

 退去時、借主の使用によって壊れた便所のフタの弁償を借主が拒否しました。あくまで自然損耗だと。貸主は、他のことは目をつぶるので、これだけは弁償しろと言ってゐたのですが、借主は断固拒否し、敷金全額の返還を求めて小額訴訟に持ち込みました。そして、借主の勝訴。簡易裁判所は、貸主に敷金全額の返還を命じました。

 ここまでは、教科書どほり。きっと借主は仲間と祝杯を挙げてゐたでせう。

 しかし、貸主は結審即日、「明らかに借主に責のある室内の損耗の原状回復」を求める小額訴訟を起こしたのでした。さうです、「目をつぶってゐた」分です。それは、敷金をはるかに上回った額でした。

 さあ困ったのは裁判所です。貸主の請求は、借主に原状回復または弁償する義務があることが、証拠により、ハッキリしていました。しかし、同一の契約の事件について、既に敷金全額の返還を一旦命じてしまった以上、同じ裁判所が敷金による相殺の命令を出すわけには行かないのです。つまり矛盾した判決は出せない以上、なんとしても和解させるしか、もう裁判所には道がないのです。

 結局、裁判所は「敷金全額を以て弁償分を相殺するものとし、貸主は敷金の額を限度として、それ以上の求償をしない」といふことで、両者を和解させたのでした。ついに借主には一銭も戻ってはこなかったのです。

 最初の訴訟さへなければ、便所のフタの清算だけで済んだのです。実質借主の敗訴です。

 続きはまた明日。

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