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30日ルール 何が問題か

  • 2009/12/21(月) 20:17:50

 「30日ルール」を無視した民主黨の政治的判斷が、未だ多くの批判を浴びてゐる。黨派を超えて、これほどまでに批判が集中してゐるところに、やはり天皇陛下を敬慕し奉る心が、多くの政治家や、また我々一般的な國民にも、普段は見えないところにしっかりあるといふことを、氣づかせたのではないだらうかと思ふのである。保守とか右翼とかいふ仰々しい思想活動ではなく、もっと自然に日本國民に備ってゐる血のやうなものが感じられるのである。

 かく言ふ私にしても、一連の報道に接し、首相や民主黨代表幹事長の言葉が、なぜ空々しく聞こえてくるのか、不思議でならなかった。そして何か、胸がかきむしられるやうな、大切なものが汚されるやうな、嫌惡感を體驗したのである。

 何日も經って、その理由が判ったやうに思った。つまりは首相にしても、民主黨代表幹事長にしても、その發する言葉から感じられるのは、天皇といふ御存在を、まるで國家の一機関に過ぎないものであるかのやうに論ってゐるといふところなのだ。

 そもそも「30日ルール」といふものは、ご高齢、かつ大手術をなさった陛下のご體調を第一に拜察したものである。そのルールに違ふ政府の要請とあらば、まづは自ら陛下に頭を下げて、陳情申し上げるべきなのだ。「異例のこととは言へ、これからの日本の命運がかかってをる事態にあります。陛下にはご無理を御願ひ奉ることとなり、恐縮至極でございます。この責任の一切は私が取ります。何卒、陛下、お汲取りいただけませんでせうか」と申し上げるべきことではないだらうか。

 しかし、民主黨代表幹事長はこのやうに言ってのける。

【小沢会見詳報】(14日夕)「30日ルールって誰がつくったの?知らないんだろ、君は」
http://www.iza.ne.jp/news/newsarticle/politics/politicsit/335686/
2009/12/14 21:07 産経新聞配信の記事より


「30日ルールって誰がつくったの?知らないんだろ、君は。法律で決まっているわけでも何でもないでしょ、んなもの。君は日本国憲法を読んでるかね? ふん? 天皇の行為はなんて書いてある?」

「国事行為は内閣の助言と承認で行われるんだよ。天皇陛下の行為は、国民が選んだ内閣の助言と承認で行われるんだ、すべて。それが日本国憲法の理念であり、本旨なんだ。ね」

「天皇陛下のお体がすぐれない、体調がすぐれないというならば、それよりも優位性の低い行事はお休みになればいいことじゃないですか。そうでしょう? わかった?」

「天皇陛下はご自身に聞いてみたら『それは手違いで遅れたかもしれないけれども会いましょう』と、必ずそうおっしゃると思うよ。わかった?」


 この政権の代表者幹事長は、この一件について、「そもそも法律でもないようなルールを勝手に作って、んなものなぜ守る必要があるのか」と言ってゐるのである。「陛下のご體調」=「んなもの」であると言ってゐることに、氣がついてゐないか、または最初からそのやうなことは眼中にないといふことだらう。天皇陛下の御存在を、國家の一機関のやうにしか考へられないやうな人間であることがわかるのである。それは例へば、このやうな品性のかけらもないやうな言葉遣ひからも、伝はってくる。

(引用は上に同じ)
「天皇陛下は内閣と助言と承認(で行うと)、憲法にちゃんと書いてあるでしょうが。それを政治利用だとかいったら天皇陛下、何もできないじゃない。内閣に何も助言も承認も求めないで、んじゃ、天皇陛下が個人で勝手にやんの? そうじゃないでしょ」


 この、實に傲慢無禮な振る舞ひにも關らず、陛下は中共の國家副首席を粛々と迎へられた。そのお姿を拜察して、目頭が熱くなった。そして、先に述べた、胸がかきむしられるやうな、大切なものが汚されたやうな、嫌惡感が頂點に達した思ひがした。

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 アレクサンドル・ソクーロフの映畫「太陽」にて、昭和天皇が占領軍の要請により、御所の中庭で撮影に應じられるシーンがあった。占領軍の記者達は既に中庭に集まってゐる。そこに一羽の白く美しい鳥が静かに現れる。こんなところに何で鳥が? 記者達は鳥を捕まえようとはしゃぎだす。そこに昭和天皇がお出ましになる。

 昭和天皇は、記者達の要請するポーズをとり、にこやかに振舞はれる。記者達は、昭和天皇を、俳優のチャーリー・チャップリンに似てゐるぞ、と揶揄しはじめる。中には、「ヘイ! チャーリー!」と聲を放つ者もゐる。ただ一人、通譯の米兵(日系人)だけがいたたまれなくなり、記者達に「やめろ!無禮なことをするな!撮影は終了だ」と怒鳴りつける。「グッバイ チャーリー!」と笑ひながら記者達が去っていく。通譯の米兵は「申しわけありません。どうか彼らをお許し下さい」と深々と頭を下げる。昭和天皇は仰る。「私はあの俳優に似てゐますか」と。通譯は絶句した後「…私は映畫を觀ません」と應へる。

 首相並びに民主党代表幹事長は、この占領軍記者達と何ら變りがなく、そして、通譯の米兵の悲痛な心情こそ、この度の、黨派や身分を越えた多くの國民の感情だったのではないかと思ふのだ。

 神聖不可侵。今更ながらにこの言葉が、重く感じられるのである。
 
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