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現状認識

  • 2009/09/25(金) 12:24:17

 細々と中古楽器を売っていると、いろいろ発見があります。楽器についての発見もありますが、どちらかといふと人間の思考と言ひますか、「かくすればかくなる」といふ、精神の因果を垣間見ることがあるのです。

 ある日、こんなことを言はれました。

 「中古は、結局誰かが手放したものですよ。よいものなら、手放したりしません。といふことは、その楽器には手放す理由があったってことですよ。」

 この方、付き添ひでいらしたのですが、「中古なんて、どうせろくなもんぢゃないよ」といふ偏見がプンプンしてゐたのです。どうも「公」のお仕事についてゐるみたいで、ご自身のお仕事が安泰だから、かういふ発想になるのだらうか、とも勘ぐりたくなってしまひます。

 バブル崩壊以降、度重なる不景気に、泣く泣く演奏活動を止め、楽器を売り払ふ人が後を絶ちません。音楽を専門にしてきた人も、アマテュアの愛好家も、師匠や憧れの御方に選定してもらって、これまで一生懸命取っ組み合ってきた楽器を手放すのは、そりゃあ辛いですよ。「楽器に瑕疵があるから手放す」なんて、暢気なことを言ってゐられない現実もあるのです。

 選定された楽器をお預りするとき、照れくささうに「専門にやってきたのですが、もう別の仕事をしようと思ひまして…」とつぶやかれると、なんとも言へない心持になります。さういふ時ほど、あまり会話をせずに、淡々と手続きをしています。さうするほか何の慰めも出来ず、とにかくまたこの楽器が、一日も早く、よい音色を響かせる日を願ふしかないのですから。

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