プロフィール

HIDEっち

Author:HIDEっち
俺にも言はせろ!

最近の記事

最近のコメント

最近のトラックバック

カテゴリー

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

ブログ内検索

RSSフィード

リンク

このブログをリンクに追加する

Yahoo! トピックス

By FC2ブログ

Powered By FC2ブログ
ブログやるならFC2ブログ

ユーフォニアムとカレーと仁義なき戦い
徒然なるままに
ふと思ひ出づる、南保先生のこと その2
 先生が亡くなられる前の年のことだった。音樂の專門教育も受けてゐない私に、小學校の授業でマーチングバンドの指導をやってくれないかと持ちかけられた。私は、お引受けした。しかし、先生、樂器のことなら渋吹の先生や、專門の先生をいくらでもお呼びできるでせうに、どうして私に、と言ふと、「貴方がゐると、引き締まるのよ」とのご返答であった。以來、氣が付けば5年も指導に通ってゐる。

 先生が小學校の現状をどのやうに憂慮されてゐたかは、この時は全く氣がつかなかった。しかし、指導を重ねるうちに、大變な事態になってゐることが、感じられてきた。確かにラッパを吹ける人や指導できる人は澤山ゐるであらうが、この事態を深刻に捉へて、身體を張って取り組まうとする人は、少ないのかも知れない。いや、年中現場にゐると、より困難な状況なのかも知れない。私は未だに、どうして先生は私に聲をかけられたのかと思ひつつ、この事態に對して、私はどうすべきなのかを考へ續けてゐる。

 指導を始めて一月ほどして、歸る道すがら、先生をお訪ねした。毎日のやうにいらっしゃった社会教育館の一室を訪れると、足下にヒーターを焚かれながら、椅子に身體を預け、目を閉ぢ、ぐったりとされた先生がいらっしゃった。二、三回先生のお名前をお呼びして、やうやく先生は目を開けられ、あら、といふ表情をされた。何だかこの頃疲れてゐて、ごめんなさいね、と仰るお顏には、以前のやうなふくよかさはなくなってゐて、何だか身體中の全てのエネルギーが、體外に音を出して抜け出ていってゐるやうな印象を受けた。「學校の方はどう?」と訊かれ、授業の始めには起立と禮をして、平氣で遲れてくる生徒を怒鳴りつけ、樂器をぶつける生徒には腕立て伏せをさせ、云々といふ話をすると、先生はニコニコとうなづきながらそれを聽いてをられた。話は私の近況となり、最近急に太ってしまっことを申し上げると、あら、男の人は貫禄がなきゃダメなんだから、それでいいのよ、と宥めて下さった。

 すっかりお痩せになり、肩の落ちた先生に、玄関までお見送りいただき、お別れの挨拶をした。家路につきながら、どうも先生のご樣子が氣にかかってならなかった。

テーマ:日記 - ジャンル:日記

この記事に対するコメント

この記事に対するコメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


この記事に対するトラックバック
トラックバックURL
→http://euphonion.blog95.fc2.com/tb.php/138-5a07b676
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)