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ユーフォニアムとカレーと仁義なき戦い
徒然なるままに
お葬式
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 LDで鑑賞。伊丹十三監督の初映画監督作品。何回か観てきたが、心に残るシーンがいくつかある。

・親戚や近所の手傳ひも加って、慌しい通夜の準備。画面は白黒、音声は無声となり、「G線上のアリア」が静かに流れる。まるで親戚のおじさんが8mmで撮ったフィルムを観てゐるやうな懐かしさがこみ上げてくる。浅井慎平(この部分のみ担当)の撮影と俳優の演技が見事で、見惚れてしまふ。素人風のカットを撮ったり、素人の振舞ひを演技するといふのは、素人が想像する以上に難しい仕事ではないだらうか。

・通夜の客が帰り、ドンちゃん騒ぎもやうやく静まった夜、故人の妻(菅井きん)、娘(宮本信子)、息子(尾藤イサオ)の三人だけで、故人を偲ぶ。息子が故人の顔を見て愕然と涙する。妻も娘も静かに泣き崩れる。娘が「なんかしんみりしちゃったね。かういふのお父さん嫌いなのよ」と言って、島倉千代子の「東京だよおっ母さん」を振りつきで歌ふ。妻や息子の声も加わっていく。この作品の中で、唯一、故人の死をしみじみと悲しむシーン。

・季節は秋近くか。一同火葬場の庭で、一息ついてゐる。主演の井上侘介(山崎勉)がサクラの樹を見て、「ようし、決めた。俺は春に死ぬことにしよう。俺が焼かれてゐる間、外は花吹雪だ… いいぞ…」と語るシーン。確か、山崎氏自身、日本アカデミー賞主演男優賞受賞の際、このシーンを述懐してゐたと思ふ。

※ 科白は記憶に基づいてゐますので、作品に忠実ではありません。

テーマ:邦画 - ジャンル:映画

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